アフリカでExpat~駐在帰国後、米国株投資やら優待株投資やら

アフリカ駐在で貯めた資金を、米国株や優待株に投資しています。投資を通じて学んだことや、資産状況の公開、またアフリカ駐在の与太話を記載していきたいと思います。

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【投資の勉強におすすめ本】~株式投資の未来~ 


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米国高配当株に積極的に投資し、資産を増やそうとしている私ですが、改めてこの投資法が正しいのかを振り返るべく、「株式投資の未来」を読了しました。この本の中で、特に勉強になった事を私自身の更なる振り返りのためにもまとめておきたいと思います。初版2005年と少々古いですが、これを読んで図書の中で紹介されている各社の今の株価、配当を確認しても、今でも十分に通用する考え方だと納得させられます。2020/08/23/203732

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著者ジェレミー・シーゲル氏とは

シーゲル氏はペンシルベニア大学ウォートン・スクール教授(金融学)、ウォートンの魔術師とも称される。コロンビア大学卒業後、マサチューセッツ工科大学(MIT)で経済学博士号を取得。Financial Times、CNN等でも経済、マーケットに関するインタビューや記事投稿を頻繁に行い、ウィズダム・ツリー・インベストメンツのSenior Advisorも務めます。

IBMとスタンダードオイル

株式投資の未来」第一章 成長の罠 の中で、シーゲル氏は長期投資の分析としてIBMスタンダード・オイル・オブ・ニュージャージー(現エクソンモービル)を1950 - 2003に渡り比較。その中で、両者のSales per share, Earnings per share, Dividends per share, セクター成長率を比べている。結果、EPSで見ると過去50年間にわたり、3% IBMがスタンダードオイルを上回っている。しかし、投資家へのリターンで見るとIBM 13.83%に対してスタンダードオイルは14.42%となっている。金額で言うと、この50年でIBMに投資した1000ドルは96万1000ドルになるが、スタンダードオイルに投資した1000ドルは126万ドルにふえたことになる。

この理由は単純で、バリュエーションを示す指標を見れば分かる。スタンダード・オイルの平均株価収益率(PER)は12.97とIBMの26.76の半分にも満たない。平均配当利回りでもスタンダードオイルはIBMの倍以上となっている。スタンダードオイルは株価が低く、配当利回りIBMよりもずっと高いため、配当を再投資した投資家は50年後の保有株数が当初の15倍になり、IBMで配当を再投資した投資家は3倍程度にしかならない。これが投資家の利益を押し上げた最大の要因であり、スタンダードオイル以外でも、RJレイノルズ・タバコ、コカ・コーラ、ナショナル・デイリー・プロダクツと言った銘柄はスタンダードオイル同様に投資家に最高のリターンをもたらしてきたという。

長期的な勝ち組セクター

第4章、成長すなわちリターンにあらず の中ではセクター別に過去の市場シェアリターンを分析している。市場シェアで言えば、過去数10年に渡り金融、情報技術セクター、ヘルスケアセクターがシェアを大きく拡大してきた。このうち、ヘルスケアセクターはリターン水準としても非常に高水準にあるが、金融、情報技術セクターはリターンは期待ほどではない。これも大きな理由はバリュエーション、配当再投資に理由があるとシーゲルは分析している。

こういった分析の結論として、シーゲルは長期的な勝ち組セクターとしてヘルスケア、生活必需品、エネルギーを上げている。今この瞬間でも、連続増配高配当株であるエクソンモービル、P&G、Johnson and Johnsonといった株は高配当株を狙う投資家にとって、更なる将来の勝ち組を目指すたには非常に優秀な株でしょう。

ポートフォリオ戦略

第16章では、シーゲルが薦める株式ポートフォリオがまとめられている。シーゲルは株式投資を100%としたとき、インデックスファンドに50%、個別株に50%。インデックスファンドでは30%を米国株に、20%を非米国株に。

個別株は①高配当株(配当利回り上位20%、S&P10種等) ②グローバル戦略(S&Pグローバル100、多国籍企業への分散投資) ③セクター戦略(エネルギー、ヘルスケア、生活必需品) ④バリュー戦略(低PER、バークシャー・ハザウェイ) に10%ずつ程配分する事をおすすめしている。

まとめ

基本的には自分用に、特に覚えておきたい点をメモ代わりにまとめましたが、読んでくださる方にも参考になると幸いです。今の私には余り響きませんでしたが、IPO株の章、高齢化社会に関する章、グローバルエコノミーに関する章などもあるので、気になった方は一度一通り読んでみると参考になると思います。

ところどころ、計算式も出しておいてくれればなぁとか、実際は只配当再投資ではなく株価自体の上昇もあってですよね、それ書かなくて良いのかと思わされるような記述もありますが。。